働かないアリ

2016.3.11|ブログ

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先日、新聞にNPO法人の代表の方のコラムをみて、とても共感できる内容だったので、

是非この場を借りてお伝えしたい。

タイトルが「働かないアリ」。

介護事業所の管理者時代に結果を追い求めて突っ走っていた自分を振り返り、

改めて反省させられました。

合理性、生産性、効率性、成果主義などなど、

厳しい経営環境にある現状ではどれも無視できない重要な考え方ではあるが、

改めて、企業とは、社会とは、福祉とはを考えてみたいと感じました。

 

 

以下、コラムの原文です。

題 「働かないアリ」(NPO法人会長 斎藤 弘美さん)

「アリの集団は働かないアリがいた方が長く存続できる」

先日、北大の研究チームが突き止め、英科学誌電子版に発表したという新聞記事が目に留まった。

働き者のアリが疲れて休んだ時、怠け者と見られていたアリが代わりに働くためだという。

記事を読んで「三年寝太郎」という民話を思い出した。

3年3か月寝てばかりいた怠け者の寝太郎が美しい娘を嫁にするとか、

ある日むくと起き上がり、

村の田の水が枯れたのを救うために水路を造り広い田を開いたという話である。

一見役に立たないような存在を受け入れ、むしろ価値を見いだす文化がかつての日本にはあった。

一寸法師は以上に小さな姿でこの世に出現しながら成功する。

効率だけを求めたらはじかれているはずの寝太郎や一寸法師が活躍する話は

日本の村のありかたを伝えている。

水俣では胎児性患者を「宝子」と呼ぶ。

かつて日本には、障がいがある子どもを「福子」「福助」と呼んで受け入れていたともいう。

研究チームは、「人間を含めて短期的効率を求めすぎると、

組織自体が大きなダメージを受けることがある」と指摘しているが、

私たちはそのことを民俗や民話からすでに学んでいたかもしれない。

おわり

 

介護人材が枯渇する現代において、職員を選ぶ余裕がなくなってきている。

だからこそ、このような長期的な視点と「ひと中心経営」が企業に必要となる。

宮村